なぜ？「石破退陣で円安進行」今、為替市場が揺れている理由

2025年9月7日、石破茂首相が突然の辞任表明を行いました。翌日の為替市場では、円が前週末から大きく水準を切り下げ、一時ニューヨーク終値比0.7％安の148円42銭まで下落しています。

なぜ石破首相の退陣が円安につながったのでしょうか。為替の世界は複雑で、一見すると政治と関係なさそうに思えますが、実は密接に関係しています。

為替チャートを見ていると、「あれ、また円安が進んでる…」と感じることが多くなりましたね。

石破首相辞任の経緯と為替市場への影響：なぜ円安に？

辞任までの流れ

石破茂首相は7日、首相官邸で臨時の記者会見を開き、「自民党の総裁の職を辞することとした」と述べ、辞任の意向を表明しました。

この背景には、7月20日の参院選での自公連立与党の過半数割れ。政治的な求心力の低下が続く中での退陣表明となったのです。

為替市場の即座な反応

市場の反応は素早く、辞任表明の翌日には円安が進行。投資家の間に今後の政策や日本銀行の利上げ時期に対する不透明感が高まり、債券や為替市場に売り圧力が高まる状況となりました。

興味深いのは、これまでの市場の動きです。為替市場は参院選後の石破総理続投表明に対して円買いで反応、そして7月23日に石破総理の退陣見通しが広がると最初は円売りでの反応となりました。

まさに政治と為替の関係性が如実に現れた局面と言えますね。

なぜ石破退陣が円安を招いたのか

財政規律への懸念

石破首相は「財政規律に厳しい姿勢で知られる」政治家と言われています。

首相の退陣を受け、次期政権下で財政拡張圧力が高まるとの見方から、市場では超長期国債を中心に金利上昇（価格下落）圧力が強まる可能性が意識されている状況です。

これは投資家心理として非常に分かりやすい反応です。

日銀の金融政策への影響

為替市場が目先の円の売買において、日本の財政赤字拡大をテーマに位置付けていることも重要な要因です。財政拡張が進めば、日本銀行の利上げも困難になり、結果として日米金利差が拡大し続ける可能性が高まります。

実際、過去の石破首相の発言を振り返ると、利上げに慎重な姿勢を示した際にも円安が進んでいました。金融政策の方向性は為替に直接的な影響を与えるのです。

現在の経済状況と物価動向

物価上昇の現状

総合指数は2020年を100として111.9、前年同月比は3.1%の上昇、生鮮食品を除く総合指数は111.6で前年同月比は3.1％の上昇となっています（統計局消費者物価指数）。

日本の物価は、海外よりも低いはずだと思っていたけど、この半年ほどでG7諸国の中で最も伸び率が高くなっていたのです。

円安による輸入コストの上昇が、私たちの生活に直接影響を与えていることがよく分かりますよね。

円安が生活に与える影響：「円安＝輸入品は高くなる」というのが基本

スーパーに買い物に行くと、「あれ、この商品また値上がりしてる」と感じることが増えましたよね。

これは円安による輸入コストの上昇が原因の一つです。ガソリン代、電気代、食料品など、生活に欠かせないものの価格がじわじわと上がっています。

海外旅行を計画している方なら、「昔はもっと安く行けたのに…」と感じることも多いでしょう。これも円安の直接的な影響です。

石破退陣で円安進行の理由：専門家の見解と今後

市場関係者の分析

政治の流動化は、インフレ対応やトランプ関税の影響、日本銀行の利上げ時期を注視する市場に新たな不確実性をもたらす可能性があると専門家は指摘しています。

これは非常に重要な視点です。政治の安定は経済の安定につながり、その逆もまた真なりということを実感させられます。

今後の為替動向

今後の円相場については、新政権の政策方針と日銀の金融政策の方向性が大きく影響すると考えられます。

財政規律を重視する政権が誕生すれば円高要因となる可能性がありますが、逆に財政拡張路線を取れば円安圧力が継続する可能性があります。

私たちにできること

情報収集の重要性

為替の動きは私たちの生活に直結します。政治的な動きと経済への影響を理解することで、家計管理や投資判断に役立てることができます。

リスク管理の視点

円安が続く可能性を考慮し、外貨建て資産の保有や、輸入品への依存度を下げる工夫なども検討する価値があります。

ただし、これらは個人の資産状況や リスク許容度によって異なりますので、慎重な判断が必要です。

まとめ：なぜ石破退陣で円安進行した？

石破首相の退陣表明は、為替市場に大きな影響を与えました。投資家の間に今後の政策や日本銀行の利上げ時期に対する不透明感が高まり、結果として円安が進行したのです。

政治と経済、そして私たちの生活は密接に関係しています。「政治は難しくてよく分からない」と思わず、自分の生活に直結する問題として捉えることが大切です。

今回の円安進行は、改めて日本経済の構造的な課題を浮き彫りにしました。財政規律、金融政策、そして政治的安定の重要性を、為替市場が如実に示してくれた出来事だったと言えるでしょう。

これからも政治や経済の動向を注視しながら、私たち一人ひとりができることを考えていく必要があります。円安は「遠い世界の話」ではなく、毎日の買い物や将来の計画に直接関わる、とても身近な問題なのです。

参考資料:

• 日本経済新聞 – 石破首相の退陣表明で円安先行
• Bloomberg – 波乱含みの市場、石破首相退陣で円と債券に売りリスク
• 統計局 – 消費者物価指数
• マネックス証券 – 「石破退陣」は為替にどう影響するか